バイデン米政権は、オピオイド(麻薬性鎮痛薬)危機対策で中国政府の協力を得るため、人権侵害への関与が疑われる中国の警察機関に対する制裁の解除について協議している。事情に詳しい関係者が明らかにした。アントニー・ブリンケン米国務長官は先月北京を訪問した際、合成オピオイド「フェンタニル」を巡る協議の行き詰まり打開に向け、新たな作業部会の設置を提言した。関係者によると、中国側は麻薬対策で協力を再開する条件として、米国が中国警察に科している制裁の解除を求める従来の立場を崩さなかった。米国ではオピオイドによる死亡事故が広がっている。バイデン政権は米国へのフェンタニル流入阻止を優先課題に掲げており、政府関係者は中国が重要な役割を果たせると考えている。メキシコのカルテルは中国企業から入手した化学物質でフェンタニルを製造し、米国に密輸している。
米、対中制裁見直し検討 オピオイド対策で
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