伊勢丹Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場49社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年6月度の百貨店編だ。

三越伊勢丹と大丸に大格差!
時系列で解説

 百貨店の主要3社が発表した6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯三越伊勢丹の既存店売上高
 6月度:同113.4%(13.4%増)

◯高島屋の国内百貨店売上高
 6月度:同106.5%(6.5%増)

◯大丸松坂屋(J.フロント リテイリング)の百貨店事業合計売上高
 6月度:同113.4%(13.4%増)

 23年6月の実績は、3社とも前年実績を上回っている。特に、三越伊勢丹と大丸松坂屋ではピッタリ同じ113.4%(13.4%増)で2桁増収となった。

 6月度において全く同じ数値を記録した三越伊勢丹と大丸松坂屋だが、実は、時間軸を広げて分析すると印象がガラリと変わる。両者の「格差」が浮き彫りとなるのだ。

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