現地で学べる英語とは何か
実体験で英語が通じた体験の重要性
例えば、今回の取材時にも筆者は気温差によって滞在中に喉風邪をひいてしまった。そうなると、ローカルのドラッグストアへ足を運び、どの薬は処方箋なしで購入できるのか、自分の症状はこんな状態で、それにはどんな薬がいいかなど相談しなければならない。
生活をするためには、各所でコミュニケーションが必要になるため、英語を“使う”機会がある。その時にうまくできなければ状況を説明して、翌日の授業で講師に表現を聞くこともできる。授業中だけではなく、実体験で使い、通じた体験は想像以上に自信へとつながり、記憶に残るのだ。学びへのモチベーションにもなる。この点がオンライン英会話との違いとなる。
授業以外で英語を使いたい場合、セブ留学では学校の立地を確認することも大切だ。理由は学校の中には地代の安い郊外に校舎を建て、まわりには何もないということもあるためだ。
安全面でおすすめできるセブ市内のエリアとしてはITパークと呼ばれる地域があり、ここには米国の有名企業の コールセンターや、いくつかの日系企業も入居している。エリア内にはモールやコンドミニアムも整備され、周囲に比べて治安がよく過ごしやすい場所だ。セブの中でもこうした都心にある場合、ランチや授業後など、日常生活で英語を使う機会が増えることになる。
このITパークの中に学校を構え、日本でも知名度のある語学学校としては、日系語学学校老舗のQQイングリッシュがある。
同校も他のすべての学校と同じように、コロナ禍の休講、台風による打撃からマクタン島にあるキャンパスの閉鎖などを経て、今の時代に合わせた復活を遂げている。
コロナ禍では、あまりに長い休講期間を余儀なくされたことで、一度講師を全員解雇するという措置を取らざるを得なかった学校が多くあった。つまり、学校名は同じでも、講師の多くが代わっているという状態の学校が多い。
そんな中、同校は、オンライン英会話とのハイブリッド型であったことから講師の入れ替わりがほとんどなく、日本人に英語を教え慣れているベテランの講師が残っているのが特徴だ。
対面でのレッスンをオンライン英会話と同じ仕組みで運営しており、セブ留学の基本とされている月曜入学、金曜卒業、1日6~8コマ程度という決まった学習時間の型にもはめず、平日いつからでも入学を可能にした。1日の授業コマ数は自分で決めるというスタンスをとることができる。
また、授業料、食費(3食ビュッフェ)、宿泊と必要なものだけ選択できる。例えば、仕事に集中しなければならない日は、朝活のごとく早朝1コマだけにしたり、エネルギーがある日は1日6コマ受講するなどを自由に組むことができる。講師もオンライン英会話と同じく自分で選択するので、うまく組めれば日本でのオンライン&セブ島でのオフラインのハイブリッド学習を組むことができる。リモートワーク環境は獲得できたが、まる1日学習時間を設けられないという学習者には、うまく機能する場合もあるだろう。
現状、同校が校内に持っている宿泊施設は、カプセルホテルタイプのみだ。費用を大幅に圧縮できるため、ストイックに学習したい方にはおすすめだ。一方、仕事もしっかりしたいという方はITパーク内にあるコンドミニアムを借りて(月5万円くらいで探せる)、暮らしながら学習する方法をすすめたい。ちょっとした海外移住体験もできて、新鮮かもしれない。