セブ島留学で「使う英語」を身に付ける
起業→移住→上場
セブ留学で、使う英語を身に付けて、そのままビジネスにつなげた事例がある。
デジタルコンサルティング事業などを展開するモンスターラボグループで、マニラとセブの代表を任されている山口竜矢さんだ。山口さんとフィリピンとの最初の接点は、セブ留学に学生として訪れたことだった。
2012年、まだ日系の語学学校が少なかった頃に、韓国系の語学学校にビギナーレベルの英語力で入学した。そこで3カ月の留学を経て、講師ではないフィリピン人との会話に抵抗がなくなった感覚を持ったという。そこまでのキャリアで、ITスキルを身に付けていた山口さんはそのままセブに残り、フリーランスからスタートし、IT関連企業を起業。モンスターラボグループに加わり、2023年には上場を経験する。今では、世界中のエンジニアやデザイナーと連携した開発チームを動かす他、愛着のあるセブを拠点とした、UI・UXを学ぶデザインスクール、モンスターアカデミアを運営し、英語とデザインのスキルを身に付けて世界に羽ばたく若者を応援している。
山口さんの英語キャリアを聞くと、セブ留学への取り組み方次第で、本当に3カ月で、実用的な英会話の土台ができて、その先の人生のかじ取りを変えうるということがわかる。もちろん、英語学習はここでは終わらず、表現を自分らしくしたり、もっと自分の領域の単語を習得したりなど、鍛錬が必要だ。しかし一度、「英語を使える」と言えるレベルに自分自身のマインドセットが変わるという点が、非常に大きいように思う。
最後に、セブ島で英語を学ぶデメリットについても触れておこう。
それは、セブ島で使う範疇(はんちゅう)の英語の域を超えづらいことだ。また発音に関しても、とてもきれいな米語を操る先生がほとんどであるが、アメリカ人ネイティブの発音と全く同じではない(これはほとんどのフィリピン人講師もそのように言う)。
しかし、これらはどこで英語を学んでも実は同じことが言えるようにも思う。欧米留学でもアメリカの田舎町に留学すれば、そこで使う英語の範疇は出ないし、オーストラリアで学べば発音はオーストラリア人の発音になる。よって、セブ留学だから…という特段のデメリットとは言えず、ベーシックを学んだあとでステップアップしていけばいい事項であるように思う。