インバウンドだけでGDP0.8%押し上げ?日本経済「堅調持続」を示唆する経済データPhoto:Diamond

日本経済は堅調続くが
一部では勢いが落ちるとの見方も

 東京株式市場での上昇相場に一服感が出ているものの、米欧に比べた日本経済の相対的な堅調さは変わっていない。

 23年1~3月期の実質成長率(前期比年率)が2%台後半となったほか、4月以降も回復の動きが続いている。経済再開・正常化に向けた動きを受けたサービス消費の回復に加え、新型コロナウィルス感染拡大防止策として打ち出されていた入国制限などの水際対策の緩和に伴うインバウンド需要の増加も続いている。

 また、半導体などの部品の供給制約の緩和を受け、国内の自動車生産の持ち直しが続いており、これに伴う国内の乗用車販売や自動車輸出の増加基調にも変わりはない。加えて、企業の設備投資計画も堅調で、コロナ禍で一部、先送りされていた投資の実行などから設備投資の拡大が見込まれている。

 一方、ここにきてインバウンド需要回復の一巡や、先送りされていた設備投資の実行一巡などにより、先行き経済活動の回復の勢いが、急速に落ちるとの見方も出ている。