韓国で長く読まれている勉強の本がある。1冊は、日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。韓国では「受験の神」と称され、勉強に携わるもので、その名を知らない人はいない。日雇い労働者からソウル大学首席合格者になるまで、人生の大逆転を成し遂げた、韓国で知らない人はいない奇跡の物語。読後、勉強したくなる自分に驚くはず。超ロングセラー本『勉強が一番、簡単でした』から、その驚くべき内容を紹介する。

勉強が「つまらない」から「面白い」に変わる瞬間【前編】Photo: Adobe Stock

心のなかに「!」が浮かぶ瞬間

 私も高校の頃は、他の生徒たちが居残って自習している時間にビリヤード場に入り浸っていた。なぜか。勉強はつまらない一方、友達と一緒にビリヤードをするのは面白かったからだ。

 ところが本格的に勉強を始めてみると、それまで私が面白いと感じていたことすべてがくだらなく思えるほど、本当に勉強が面白くなった

 だから、こんなことを考えたこともある。すべての生徒は高校を出たらすぐに大学に進学するのではなく、一定の猶予期間を決めて自分がやりたいことを存分にやってはどうか、と。そして、その猶予期間に自分の適性にピッタリ合う分野に出会えば、別に大学に行かなくても、その分野の専門性を伸ばしてやればいいし、そうでなく本当に勉強をやるべきだという必要性を感じたら、大学に入って勉強すればいいのではないか。

 勉強を始めてみて、私はその面白さには主に2種類あることがわかった。1つ目は、これまで知らなかった世界を少しずつ発見していくことの面白さだ。これらも、厳密に考えれば2つに分けられる。

 ひとつは、教科書を読んだり、先生の話を聞いたり、直接自分の目である現象を観察したりして、「ああ、だからそうなるのか!」「ああ、実はこうなのか!」というぐあいに、心のなかに発見の「!(エクスクラメーションマーク)」が浮かぶような瞬間の喜びだ。生物の教科書のホルモンに関する単元を読むと、こんな文章が出てくる。

 体液の塩類濃度が上昇して浸透圧が上がると、間脳が刺激されて脳下垂体後葉からバソプレシンというホルモンが分泌され、細尿管からの水の再吸収を促進させて、浸透圧を正常に戻す。

 酒を飲んだ翌朝、喉の渇きがひどくなるが、まさにその理由が前ページの文章に書かれている。アルコールは間脳の活動を妨げるため、酒に酔った状態では腎臓の細尿管から水分が再吸収されず、それで喉が渇くのだ。このように、これまで知らなかった事実を勉強によって学べるのは、何と面白いことだろうか。

 もうひとつは、生活のなかで見聞きする物事の仕組みやその意味を、勉強で学んだ事実や知識をもとに他人や自分自身に説明できるようになったときの満足感だ。ひとつ例を挙げよう。本書を執筆する間、しばしば出版社に出入りしていたが、そこに行く途中の道に憲法裁判所があった。

 憲法裁判所の建物は大理石造りで、その正面の外壁には韓国の国花であるムクゲの花が9個、浮き彫りにされている。どうせならもう1個増やして10個にすれば切りがいいのに、なぜ9個なのか。何気なく通り過ぎていれば何とも思わないだろう。

 だが、政治経済の教科書で憲法裁判所の裁判官が9人だという事実を学んだ私には、その9個のムクゲが意味のあるものとして見えてくるのだった。

(本原稿は70万部のベストセラー『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』から一部抜粋したものです)