気候変動に焦点を当てた米インフレ抑制法で、外国企業が特に大きな恩恵を受けることになりそうだ。例えば日本のパナソニックは、ネバダ、カンザス両州のバッテリー工場に関連する税控除が年20億ドル(約2800億円)に上る可能性もあると試算する。これは問題なのだろうか。実際には、これは成功の証しだ。パナソニックや韓国LGなど世界のバッテリー業界のトップ企業が、米国での市場機会は大きすぎて見逃せないと考えていることの表れだからだ。自国ではなく米国に工場を建設しなければならず、さらには自社が育成した現地の技術者や上流部門の請負業者がいずれ自力で有力プレーヤーとして台頭するリスクも伴うが、それらを踏まえても進出の価値があるということだ。