頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。コンサル→ファンド→27歳アンカー・ジャパン入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。

1位思考Photo: Adobe Stock

リーダーの本当の役割とは?

 元NETFLIX最高人事責任者のパティ・マッコードは著書『NETFLIXの最強人事戦略――自由と責任の文化を築く』(光文社)の中で、

ビジネスリーダーの役割は、すばらしい仕事を期限内にやり遂げる、優れたチームをつくることである。それだけ。これが経営陣のやるべきことだ

 と言っている。

 最高の仕事を最高のメンバーと期限内にやる

 経営陣はそれができる環境をしっかり整えることが重要となる。

 仕事にはどんなものにも基本的に期限があるので、成長している企業に共通しているのはスピード感だ。

 D2Cでうまくいっているスタートアップと老舗メーカーとでは何が違うのか。

 プロダクト、プレイス、プロモーション、ひいてはプライス含め老舗メーカーが有利にさえ思える。

 それでもD2Cスタートアップが有利に戦いを進められるのは、老舗メーカーから見ると異次元のスピード感があるからだろう。

稟議書が存在しない理由

 アンカー・ジャパンでも、意思決定のスピード感を大切にしている。

 上司の承認は役職に関係なく営業日で1日以上かかることはほぼない

 社長や本部長の数百万円単位の承認もSlackで完了させている。

 細かい話をすれば、Slack内にフォームを設け、それを管理シートに飛ばしてログの管理をしている。

 社内ルールおよび内部統制上必要な承認ログがあれば、統制上は問題もないし、稟議書はそもそも存在しない

 紙の稟議書をつくり、担当者がハンコを押し、上長、さらにその上長がハンコをどんどん押していく。稟議書の目的は承認の履歴を残せることだと思うが、過去にやっていたから今後もやり続けることが本当にベストなのか。

 猛スピードで技術が発達している現代において、社内手続きこそまずスピードアップすべきである。

(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)