韓国で長く読まれている勉強の本がある。1冊は、日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。韓国では「受験の神」と称され、勉強に携わるもので、その名を知らない人はいない。日雇い労働者からソウル大学首席合格者になるまで、人生の大逆転を成し遂げた、韓国で知らない人はいない奇跡の物語。読後、勉強したくなる自分に驚くはず。超ロングセラー本『勉強が一番、簡単でした』から、その驚くべき内容を紹介する。

「勉強<遊び」の関係が逆転する奇抜な方法Photo: Adobe Stock

勉強は世の中のどんな遊びよりも面白い

 どうしてそんなに懸命に勉強に打ち込めたのか、説明しよう。私が予備校に入った最初の年に死ぬほど勉強できたのは、他にやりたいことがなかったからだ。

 多くの人が勉強は退屈で、やりたくないものだと考えている。そう考える根拠をもう少し深く見てみると、本当に勉強がしたくないというより、勉強の他にやりたいことがあるという気持ちを、誤って「勉強が嫌いだ」と表現しているに過ぎないのだ。ただ、その表現がどうであれ、勉強の他にやりたいことがあるなら、勉強に身が入らないのは当然のことだ。

 私が高校に通っていたときに勉強しなかったのも、これと同じ理由からだった。当時は別に勉強したいなどと思わなかった。それより友達と一緒に遊び回るほうが楽しかったからだ。だから私は遊ぶのが嫌になるほど遊び、その結果、それまで心のなかで抑え込まれていた遊びの欲求が解消され、それと同時に、心のなかの欲求バランスがやっと正常な状態に戻ったのだ。

 すなわち、勉強というのは無条件で嫌いだといったものではなく、一度やってみてもいいのかも、と思ったのだ。要するに、私は本当に自分から勉強をしてみたくなったのだった。自分がやりたくてやることなら、誰でも一生懸命やるものだ

 また、実際にやってみると、勉強は世の中のどんな遊びよりも面白いものだとわかった。本当に面白かったのだ。高校の教科書を真剣に読み始めたときに驚いたのは、自分が知らなかったことが実に多く書かれていることだった。

 私はこんなことも知らずに生きてきたのか、と衝撃を受け、もっとたくさん学ぶべきだと思うようになった。それ以来、高校の教科書を読むことは大学に入るための単なる手段ではなく、それ自体が目的となったのだった。

(本原稿は70万部のベストセラー『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』から一部抜粋したものです)