なお化学的酸素要求量(COD)は、数値が大きいほど、水中に存在する有機物の量が多いことを意味し、それだけ水質汚濁の程度が大きいことになる。

 以前紹介した『水が汚い海水浴場ランキング2023』の結果を踏まえながら、今回のランキングを見ていこう。

 1位は千葉県で、Bの海水浴場が最多の26カ所ある。ただし、県内におけるCODの平均値自体は2.58mg/リットルと、上位5県の中では最も低い。いなげの浜(千葉市、CODは4.6mg/リットルで全国3位)はBで、かつCODの数値が高かった。なお、勝山(鋸南町)は『「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキング2023』で第1位にランクインしている。

 2位は愛知県(18カ所)で、CODの平均値は2.72mg/リットル。寺部(西尾市、同3.4mg/リットル、全国18位)などがBの海水浴場になる。

 3位は北海道(16カ所)で、CODの平均値は2.77mg/リットルだ。とままえ夕陽ヶ丘ホワイトビーチ(苫前町、CODは4.3mg/リットル、全国6位)、塩谷(小樽市、CODは3.8mg/リットル、全国13位)などが含まれる。

 4位は宮城県(11カ所)で、CODの平均値が2.93mg/リットル。荒浜(亘理町)(亘理町、同4.6mg/L、全国3位)、小泉(気仙沼市、同3.9mg/リットル、全国10位)などがBの海水浴場になる。

 5位の青森県(11カ所)はCODの平均値は3.02mg/リットルで、上位5都道府県の中では数値が一番高い。海ではなく、川・小沼の水浴場ではあるが、わかさぎ公園(東北町、同4.7mg/リットルで全国2位)や小川原湖公園(東北町、同4.6mg/リットルで全国3位)などが含まれる。

 6位は新潟県(10カ所)で、CODの平均値自体は2.59mg/リットルだ。ちなみに、「水が汚い(=水質Bの)海水浴場が多い市町村」という切り口でデータを集計すると、新潟県新潟市が1位になる。

 7位は山形県と岡山県(それぞれ7カ所)だ。CODの平均値を見ると、山形県が2.50mg/リットルで、岡山県が2.21mg/リットルだ。

 9位の広島県(6カ所)は、CODの平均値が3.35mg/リットルと、本ランキング(全27都道府県)のうち2番目に高い。「世界遺産の島」である宮島の東にある、包ヶ浦自然公園(廿日市市)はCODが4.8mg/Lで、『水が汚い海水浴場ランキング2023』で1位にランクインしている。

 なお、海水浴場として開設されていなくても砂浜への出入りは可能だが、遊泳区域を示すブイがなくライフセーバーもいないなど、泳ぐのは非常に危険である。この夏、海水浴には、必ず海水浴場が開設されているかどうかを確かめてから出かけてほしい。

(ダイヤモンド編集部 清水理裕、加藤桃子)