先進国となった韓国で
希望を失う若者たち
韓国のGDPは世界10位圏にある。2023年こそ13位と順位を下げたが、韓国を超えたのは、ロシア、ブラジル、オーストラリアの資源輸出国であり、原油・天然ガス・鉱物などの輸出でドル資金の供給が豊富だったためだ。
サムスン電子、現代自動車などの製造業は、世界の最先端を走っており、BTSなどのK‐POP、映画などの文化コンテンツも豊富である。どう見ても豊かな先進国としか考えられない。
しかしその半面で、繁栄から取り残され、不満を募らせた若者も多く生まれている。韓国は階層社会であり、財閥・資本家や政治家・官僚などの権力の中枢に密着した人々と、いくら努力しても利権にありつけず、生活も一向に良くならない一般の人々の間の格差は広がっている。
それが高じた結果、社会から見捨てられ、孤立して凶行に及ぶ若者や、希望を失い自殺したり、国籍を離脱して海外に逃避する若者が増えている。
そうした中、公平をもたらすべき政治は、2大政党の間で対立を繰り返しているだけである。特に、韓国社会の分断を激化させたのは文在寅(ムン・ジェイン)政権であり、5年間でソウルの不動産価格を2倍にして資産格差を拡大させ、最低賃金の急激な引き上げは中小企業の窮乏化を招き、かえって失業を増大させて貧困階層を増やしてしまった。