文在寅政権は利権政治に終始し、自らの不正行為をかばい合い、隠蔽(いんぺい)してきた。そうした政治家は、政権を去った後も真実を覆い隠しデマ政治に没頭している。

 韓国の22年の特殊出生率は過去最低の0.78となり、子供をつくらない女性が多くなった。子供に希望を持たせられない社会に失望し、海外に生活の本拠を移して子供をつくる人も出てきた。

 不満が鬱積する韓国の若者は希望を失っている。韓国の政治が対立を繰り返しているだけでは、韓国の若者の希望を取り戻すことはできない。政治が、社会の体質改善に向けてリーダーシップを発揮できるかがカギである。それにはまず政府と野党が対決姿勢を中断し、デマ政治をやめ、現実と向き合っていくことが不可欠である。

連続通り魔事件が
発生している韓国

 3日、ソウル近郊の盆唐(ブンダン)の商業施設で通り魔事件が発生、死者1人、負傷者13人(重傷11人、軽傷2人)が出るという事件があった。容疑者は車で歩行者をはねた上、凶器で複数の人たちを切りつけた。

 事件の加害者、チェ容疑者は22歳の平凡な中産層の家庭で育ったが、特別目的高校への進学に失敗した後、一般高校を自主退学し、家族と離れて孤独に暮らすようになった。社会的挫折が2020年の統合失調質パーソナリティー障害の発症につながり、その結果、社会的孤立が深刻化する悪循環の中にあった。

 過去にも車両や凶器による殺傷事件は起きていたが、最近のように頻発することはなかった。

 7月21日にはソウル市内の地下鉄新林(シンリム)駅付近の路上でチョ・ソン容疑者(33歳)が無差別に凶器を振り回し、20代の男性1人を殺害、30代男性3人を負傷させた事件が起きたばかり。同容疑者は警察の捜査に対し「わたくしは不幸だが、他人も不幸にしたかった」と供述した。

 また、5月にはチョン・ユジョン容疑者(24)が、不遇な成長過程・境遇に対する不満を抱いて、家庭教師アプリで知り合った20代女性の家を訪ね、凶器で無残にも殺害する事件も起きている。

「孤立し、一人ぼっち」というのはチョ容疑者とチョン容疑者に共通する部分だ。