「孫正義の後継者はPepper」はあり得る!思い出した孫さんの言葉「後継者はいらない。なぜなら…」孫正義氏と人型ロボットPepper(ペッパーくん) Photo:JIJI

ソフトバンクグループが8月8日に発表した2023年4~6月期の連結決算は、最終赤字が3四半期連続となった一方、人工知能(AI)関連の新興企業に投資するビジョン・ファンド事業は6四半期ぶりに黒字転換した。ソフトバンク元社長室長の筆者が、孫正義氏のAIに対する“野望”を明かす。(トライオン代表 三木雄信)

孫正義社長の後継者問題
「サーバーが1台あればいい」!?

 6月20日、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、同社傘下のソフトバンクの株主総会に参加し、次のように述べました。

「ChatGPTの登場で、AI革命が現実的に多くの人々に触れるものになった。自分も毎日、何度もChatGPTと会話しながらブレーンストーミングをしている」「OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)とは毎日のようにチャットしている」

 こうした話を聞いて、思い出したことがあります。それは、筆者がソフトバンクの社長室長をしていた2000年頃、孫社長とソフトバンクのグループ運営について、ブレーンストーミングを何百時間も行っていたことでした。

 そのブレストのメインテーマの一つに、孫社長の後継者問題がありました。孫さんは、「俺の後継者はいらない。サーバーが1台あればいいんだ」と言っていたのが、今も強く印象に残っています。

 その言葉の意味は、グループ各社が自律的にそれぞれ工夫して経営にあたるのを前提に、それらを取りまとめるグループの中枢は、人類を超えるような能力を持ったサーバーに一定の法則を教え込み、グループの全データを収集してそのサーバーが経営していけばいい――こういうことだったと理解しています。