ヤマトグループと日本郵政グループが一部事業での協業に基本合意した。長年のライバル2社の“電撃”提携は、物流業界にとって時代の変化を感じさせる一大ニュース。背景には何があったのか。2社の思惑とは?(カーゴニュース編集部)
ヤマトHD長尾裕社長
「経営資源の有効活用が最大の経営マター」
日本郵政グループとヤマトグループは6月19日、物流を巡る社会課題の解決に貢献するとともに、持続可能な物流サービスを推進していくことを目的に協業していくことで合意し、基本合意書を締結した。
第1弾として、ヤマトのクロネコDM便を2024年1月末に終了し、日本郵便の「ゆうメール」のネットワークを活用した新サービスに移行。また、ヤマトのポスト投函型宅配サービス「ネコポス」も今年10月からサービスを順次終了し、日本郵便の「ゆうパケット」を活用した新サービスに段階的に移行する。
同日、都内で開かれた記者会見で、日本郵政の増田寛也社長は「両社の経営資源を有効活用することで、顧客への利便性向上と事業成長を図るとともに、相互にネットワークやリソースを活用し合うことで、『2024年問題』の解決やカーボンニュートラルに貢献していく」と協業の目的について説明。
ヤマトホールディングスの長尾裕社長は「経営資源をいかに有効活用するかが最大の経営マターになる中で、ポスト投函型サービスでもっとも優れたネットワークを有する日本郵政グループにお願いするのが自然だと判断した」と述べた。