誰もが学生時代に英単語をたくさん暗記した経験があるだろう。しかし「たくさん覚えても、全く話せるようにならなかった」と答える人が大多数だ。そんな英語学習者から「最短で英語の表現力をつけるならこれ」「会話で使える用例が半端なく多い」と絶賛の声を集める本がある。『話す力が身につく5分間英単語』だ。1トピック5分の英単語トレーニングで、実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
「自慢する」2つの動詞を覚えよう
(1)boast
何かを「自慢する」という意味の他、「そのホテルは、国内最多の客室数を誇る」のように、物や場所を主語にして「(自慢になるようなもの)を持っている、誇る」という意味で使うことも多い。
(2)brag
何かを「自慢する」という意味で、boastよりも若干カジュアルな響きがある。
boastとbragの違い
「自慢する」という意味では両者に大きな違いはない。
使い方としては、どちらも後ろに〈about+名詞〉やthat SV~を続けて「~を自慢する」という意味を表す。
その他、“…,” he boasted/bragged.(「…」だと彼は自慢した)のように、具体的な発言内容と共に使うこともある。
さらに「自慢する」に関連した意味を表す表現として、show off(~を見せびらかす)、blow one’s own trumpet/horn(自分の業績を自慢げに話す)、be full of oneself(うぬぼれが強い)などを覚えておこう。
(1)boastを使った例文
He is always boasting about how rich his parents are.
彼はいつもいかに両親が金持ちかを自慢している
Joe never boasts to his friends about his achievements.
ジョーは自分の業績を友達にひけらかしたりはしない
◆ boast/brag to ~で「~に対して自慢する」
He proudly boasted of winning the award three years in a row.
彼はその賞を3年連続で受賞したことを高らかに自慢した
◆ boastもbragも、aboutの代わりにofを続けることもある
Mr. Turner used to boast that he was the richest man in town.
ターナー氏は、自分が町一番の金持ちだとよく自慢していた
“I guess I’m just too irresistible to say no to,” Troy boasted.
「僕が魅力的すぎて、誰も誘いを断れないのさ」とトロイは自慢げに言った
◆ このように「“ ”」で挟まれた発言内容と共に使うboast/bragは、sayに「自慢げに」というニュアンスが加わったものだと考えておこう
The gym boasts state-of-the-art training equipment.
そのジムは最先端のトレーニング設備を備えている
◆ この用法のboastはhaveに置き換え可能。haveに「誇れる」のニュアンスが加わったと考えておこう
New York boasts so many top-ranking restaurants.
ニューヨークにはトップランクのレストランが数多くある
The island boasts four UNESCO World Heritage sites.
その島には世界遺産が4つある
(2)bragを使った例文
I don’t mean to brag, but our Christmas decorations are a work of art.
自慢する気はないが、うちのクリスマスの飾りはアート作品だ
◆ don’t mean to boast/brag, but...(自慢するつもりはないが…)や、don’t like to boast/brag, but...(自慢したくはないが…)はよく使われる表現
Peter bragged that he could beat anyone at chess.
ピーターはチェスでは誰にも負けないと豪語した
Being busy is nothing to brag about.
忙しいなんてことは自慢するようなことではない
◆ ~ is nothing to brag aboutで「~は自慢すること・ものではない」
The team earned bragging rights by beating its archrival.
そのチームは最大のライバルを倒して自慢する権利を得た
◆ bragging rightsは「(何かを達成して)自慢する権利」という表現
□ state-of-the-art(形)最先端の
□ archrival(名)最大のライバル
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)