サマージャンボを買うのは得か?

 それでは元の話題に戻りましょう。サマージャンボの価格は1枚300円であり、1等賞から5等賞まであります。賞金額は以下の通りです。

 果たして、サマージャンボを買うのはどれくらい得なのでしょうか。予想してみてください。(なお、簡単のため、以降の説明では1等と2等に同時に当選するなどの被りは考えないものとします※)

※実は、被りを考えなくても、正しい計算結果が得られます。(理由は難しいのでここでは説明しません)
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計算結果

 まず、最初に説明した計算式「スコア×確率の合計」にしたがって、宝くじの賞金の期待値を計算してみましょう。

 すると、以下のようになります。(100で割る理由は、パーセントを確率に直すためです)

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 したがって、賞金の期待値は25+10+1+0.5+10+30+30+0=106.5円となります。

 そこで、宝くじの価格は1枚300円なので、宝くじを1枚買うと、平均して300ー106.5=193.5円の損になります。

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結局宝くじは買うべき? 買わないべき?

 このように、期待値の考え方を使うと、宝くじ1枚につき200円近い損になるということがわかります。これは、100枚買うと2万円、1000枚買うと20万円の損になってしまうことを意味します。

 つまり、数学的には「宝くじは買わないべき」です。

 しかし、宝くじを買うことはデメリットだけではありません。なぜなら、宝くじを1枚買って初めて、5億円当たるチャンスが出てくるからです。

 そのため、チャンスと損得のバランスを考えたうえで、宝くじを買うかどうかを決めるのがおすすめです。

 なお、本書「高校数学の基礎が150分でわかる本」は、宝くじの例を含め、数学が役立つ実用例がたくさん掲載されています。そのため、学んでいる途中で「なんで数学なんてやらないといけないのか…」と目的を見失ってしまうことは絶対にありません。

 ですので、興味のある方はぜひ、本もお読みください。