子どもから大人まで数学を苦手とする人は非常に多いのではないでしょうか。ましてや高校数学ともなるとほとんどの人が挫折してしまった経験を持っているでしょう。しかし、高校数学の基礎は丁寧に学べば特別難しいものではなく、同時に得た知識は私たちの生活にも大きく役立ちます。そんな高校数学の超入門書として書かれたのが『【フルカラー図解】高校数学の基礎が150分でわかる本』です。本記事でははじめての人から大人の学び直しまで1人で高校数学が学べる本として発刊された本書をもとに米田氏のオリジナルコンテンツをお送りします。

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宝くじを数学的に読み解く

 宝くじは、一般市民の夢として古くから親しまれているイベントです。皆さんの中でも、「一発当てて大金を得たい!」と思って宝くじを購入した経験のある方は少なくないでしょう。

 しかし、宝くじを買うのは、本当はどれくらい得なのでしょうか。たとえば、本日抽選の第970回サマージャンボを買うのは、一体どれくらい得なのでしょうか。本記事では、これを数学的に分析してみましょう。

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前提知識:期待値とは

 まずは前提となる「期待値」について紹介します。期待値は、平均してどれくらいのスコアが見込めるかを表す値です。

 たとえば、30%の確率で2000円もらえ、70%の確率で1000円もらえる賭けに参加したとしましょう。このとき、平均何円もらえるのでしょうか。

 1000円だと少なすぎますし、1500円だと多すぎますが、1300円程度と考えると自然でしょう。この「1300円」という値が、期待値です。

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 期待値は、「大体1300円くらいかな…」と直感的に計算することもできますが、実は計算式もあります。

 この計算式は、(スコア)×(確率)の合計です。たとえば先ほどの賭けの例の場合、(スコア)×(確率)の値は

アタリ:2000円×0.3=600円
ハズレ:1000円×0.7=700円

 であるため、期待値は1300円となります。

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