今週米国で新規株式公開(IPO)を果たしたベトナムの電気自動車(EV)新興企業、ビンファスト・オートだが、その盛り上がりに応えられる可能性はほとんどない。ビンファストは特別買収目的会社(SPAC)との合併で14日にニューヨーク市場に上場した。取引初日の15日には株価がSPACの公開価格10ドルから約37ドルに跳ね上がり、コロナ禍の中で株が高騰した2021年をほうふつとさせた。これで時価総額は870億ドル(約12兆7000億円)と、米ゼネラル・モーターズ(GM)のほぼ2倍に達した。株価は16日には約30ドルまで下落し、時価総額は約690億ドルとなった。創業者がいまだ株式の99%以上を握っており、浮動株が極めて限られているため、不安定な値動きは続く公算が大きい。しかし、仮に10ドルまで下落し、SPACとの合併で合意した際の評価額230億ドルに戻ったとしても、まだ期待に応えるのに苦労するだろう。
米IPOのベトナムEV企業、失速は近い
米で販売実績のほぼないビンファスト、時価総額がGMの約2倍に
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