ビッグマック1年で30%弱の値上げ、マクドナルド「都心型店舗ねらい撃ち」納得の理由Photo:S3studio/gettyimages

日本マクドナルドが2023年7月、今年2度目となる値上げに踏み切った。値上げの理由を「店舗運営コストへの対応」と断言した今回は、これまでの一律値上げではなく、店舗の立地によって値上げ幅を変える新施策に乗り出した。このことにより、「都心型・準都心型店舗」とそうでない店舗では同じ商品でも販売価格に差が生まれた。消費者からさまざまな反応が聞こえてくるが、果たして今回の値上げに妥当性はあるのか。独自調査を基に考察した。(プライシングスタジオ代表取締役 高橋嘉尋)

およそ230店舗の「都心型店舗」で
半年ぶりの値上げ実施

 2023年7月19日から一部店舗での値上げを実施した日本マクドナルド(以下、マクドナルド)。同年1月に全店共通で大幅に商品価格を引き上げたこともあり、半年余りでの再値上げは大きな話題を呼んだ。

 そもそもマクドナルドでは22年3月を皮切りに、同年9月、23年1月、同年7月とハイペースで値上げを繰り返してきた。その間、ビッグマックは390円→410円→450円→500円(都心店)と1年半足らずで30%近くも価格が上昇している。

 こうした推移を踏まえれば消費者が事態を憂う気持ちも当然な気がしてくるが、一方では昨今の物価上昇の機運も相まって理解を示す声も多い。果たして今回の値上げに勝算はあるのだろうか。まずは値上げの内容を振り返ってみよう。

 今回の値上げは、前回までの一律での価格引き上げとは異なり、店舗の立地によって値上げ幅を変えるものだ。マクドナルドではこれまでも空港やサービスエリアといった特殊立地店13店舗と都心店30店舗に対しては通常店よりも高い価格で商品を販売してきた。

 今回、それらに加えて新たに121の「準都心店」を設定し、従来の都心店にも63店舗を追加。全体のおよそ8%に当たる計227店舗を対象とした上で、通常店とは異なる価格設定を行う。

 ちなみに「都心店・準都心店」のうちの6割以上は東京に位置し、次いで大阪、神奈川、愛知、京都など、そのほとんどは東名阪エリアの店舗だ。

 値上げ商品の対象となったのは、ハンバーガーやチーズバーガーといったレギュラー商品を除く店舗販売商品とデリバリー販売商品だ。「準都心店」では10~30円、「都心店」では10~90円の値上げとなる。例えばビッグマックは通常店では450円だが、準都心店では470円、都心店では500円と傾斜がつけられた格好だ。

ビッグマック1年で30%弱の値上げ、マクドナルド「都心型店舗ねらい撃ち」納得の理由出典:日本マクドナルドの開示資料をもとにプライシングスタジオ作成