米国のすしブーム、立役者はスーパークローガー傘下の店舗のうち3分の2にすしコーナーがある(写真はオハイオ州シンシナティの店舗) Photo:Julie Renée JonesS for The Wall Street Journal

 食品スーパーマーケットのクローガーがすしの販売で米国最大手になった。そこから見えてくるのは米国人の食品購入の習慣や味覚の変化だ。

 スーパー最大手のクローガーが通常1年間に販売するすしは4000万個超。生魚の切り身やごはんを米消費者に欠かせないアイテムに変えつつある。

 オハイオ州シンシナティに本社を置くクローガーは「ラルフス」「ハリスティーター」などのチェーンを傘下に持つ。店舗数は35州とコロンビア特別区で2700店以上、従業員数は約43万人に上る。昨年の売上高は約1480億ドル(21兆6000億円)で、同業アルバートソンズを約200億ドルで買収することで合意している。

 すしは取扱食品を増やし、顧客の外食予算に食い込むためのクローガーの戦略の中心を担う。戦略は成功していると幹部らは言う。データを見ると、巻きずしのおかげで新たな顧客が来店し、既存客の来店回数も増えている。同社がすしの販売で国内最大手であることに気付いたのは2020年、消費者調査会社サーカナ・グループのデータを検討していたときだという。その後3年間、すし市場でシェアを拡大し続けている。