男性に多い…とも言えず
もしかしたら、あなたも「食い尽くし系」?
食い尽くし系のなんたるかを少し掘り下げて紹介したが、巷間(こうかん)で口にされる「食い尽くし系」はだいたいモラハラの領域であるようだ。
また、調査している感触だと、特に夫が食い尽くしを行っている場合はモラハラの一環である割合がやはり多そうである。夫が結婚前やフォーマルな食事の場では食い尽くし行動をまったくしなかったケースの報告もあり、この場合は完全に夫の家族への甘えが食い尽くし行動を形作っている。
なお、家庭内において、夫・パパは家族から「食い尽くし系」とみなされやすい立場にある。一日に必要なエネルギー量は男性の方が多い…つまり家族の中でもっともよく食べる姿を目撃されるのはパパになる。そのイメージが日々蓄積していく。
筆者の場合だと、娘が食べきれずに残した物を、完全に食器が下げられた状態を見計らって食べるようにしていたのだが、パパが食べるとなるとその残り物であっても自分の所有物が奪われる感じがするらしく、「パパに食べられたくない」と泣くのである。妻がそれを食べる分にはあまり問題視されず、まったく納得がいかないのだが、娘の目を通して見たら筆者の体からいかにも卑しげなオーラでも立ち上っているのかもしれない。慎重に振る舞っても、おそらく娘からしたら筆者は「食い尽くし系パパ」で、レッテルは甚だしく心外だが、パパなる存在はそれくらい容易に「食い尽くし系」認定を受けるので注意が必要である。
かといって、「パパでなければ食い尽くし認定を受けにくい」と考えることはできない。今回調べてみて浮上したのは、実は誰もがいとも簡単に「食い尽くし系」認定を受けうるようだ…という救いのない真実であった。この世に安全圏は存在しないのである。
次のページに、いくつかの具体例を箇条書きしておく。相当気遣いができる人たちによる談話であり、うち半分は女性から聞けたエピソードである。