正解は3と4
解説 株価の変動は、業績のよし悪しだけでは決まりません。市場が想定(期待)した決算内容に対して、よかったか悪かったかが大きく影響します。
①のように決算で好業績が発表されても、それが市場の期待を超えていなかった場合、株価が下落する要因になるのです。
のび太くんと出来杉くんの期待値
漫画『ドラえもん』に登場するキャラクターにたとえると、テストでいつも当たり前のように100点満点を叩き出す「出木杉くん」の成績が、今回90点だったとすると周囲の想定を下まわるため、いい点数をとったにもかかわらず評価が下がる。そんなイメージです。
逆に③のように決算で発表した業績が悪くても、株価が下がらないどころか、逆に上がるケースもあります。それは、業績は悪かったものの、市場の想定よりよかったからです。
テストで0点ばかりの「のび太くん」の成績が、今回30点だったとすると周囲の想定を上まわるため、本来は悪い点数なのに評価が上がるようなものです。
配当金にまつわる株価
また、好業績だと株主に会社の利益の一部を分配します(これを「配当金」といいます)。
配当金がもらえるのは、会社が定めた日(権利確定日)に、株主名簿に名前が載っていることが条件となります。そういうルールのため、その日に株を保有していただけでも、配当金をもらうことができるのです。
そのため、権利確定日に向けて配当金を得ようと、株を買う投資家が増えて、株価が上がる傾向があります。ところが、②のように配当金を得られる権利が確定すると、今度は売りに出す投資家が増えて、株価は下がる傾向にあります。
投資家と従業員の考え方の違い
④のような大規模な人員削減や拠点の統廃合などのリストラは、“不景気の代名詞”のようなイメージがあるかもしれません。
しかし、企業がリストラを発表すると株価が下がるどころか、逆に上がったりします。なぜなら、リストラによる人件費などのコスト削減で、そのぶん会社の利益が増えると考えられるからです。
従業員にとってリストラは歓迎できることではないですが、投資家にとっては歓迎するべきことだったりするのです。
ポイント 決算後の株価は市場の想定を上まわったか下まわったかによって動きが異なる
※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。