1銘柄で「億」のリターン…投資でお金を増やすために“いちばん大切なこと”

東京理科大学の大学生だったとき、夏休みの暇つぶしで突如「そうだ、投資をしよう！」と思い立った。証券口座を開設して、家庭教師のアルバイトで稼いだ貯金を“タネ銭”をほぼ全額投入。知識ゼロ・経験ゼロの状態から投資をしてみたものの、わずか2週間で全額、溶かしてしまった……。そこで投資を諦めず、本腰を入れて勉強。ベンチャー企業に入社してから本領を発揮して、1銘柄だけでも億単位のリターン（売却益）を得るなどして、入社4年で独立。そこで得た投資の最終結論は、常識の真逆をいく「小型株集中投資」という手法だった。その投資法を1問1答のクイズ形式で楽しみながら学べる『10万円から始める! 小型株集中投資で１億円 【１問１答】株ドリル』（ダイヤモンド社）の著者が、アマチュアだからこそプロに勝てる“儲かる株の見つけ方”を基礎の基礎から応用まで解説する。

何も知らないままFX取引

私は大学生のときに投資を始めたのですが、そのときは投資の知識や経験がまったくない状態でした。最初の軍資金は、家庭教師のアルバイトで貯めた30万円。大学生にとっては大金です。

最初は本当に「何がわからないのかすら、わからない」という暗中模索の状態でしたが、証券口座を解説するところから始めました。

すると、FX（外国為替証拠金）取引の口座が開設されたので、「とりあえず、なんとなく聞いたことのある『ドル・円』を試してみよう」と思い、注文数量を入力するところに、「とりあえず『10』くらいかな？」と数字を入れて、購入ボタンをポチッと押しました。

入金した30万円を全額失う……

後から知ったのですが、実は単位がまさかの【万ドル】だったのです。つまり、30万円の証拠金で、いきなり10万ドル（当時のレートで約1000万円）のドルを購入したことになります。

「無知の知」という古代ギリシャの哲学者ソクラテスの有名な言葉がありますが、まずは自分の無知を誠実に受け止める必要があることを思い知らされました。「無知は罪」とさえいえます。

そんな状態だったので勝てるはずもなく、入金した30万円は2週間ほどで失いました。そして、「これは勉強しないとマズい」と本気で感じ、またアルバイトをして投資の本を買い漁り、本格的に投資の勉強をしたのです。

FXはマイナスサム・ゲーム

本を読み進めていくと、「FXは（勝つか負けるかの）ゼロサム・ゲームだから、やらないほうがいい」。

一方で、「株式投資なら銘柄選びを間違えなければ（参加者全員が得することも可能な）プラスサム・ゲームになる」ということを知りました。

ゼロサム・ゲームは、参加者同士のお金の奪い合いで、合計ではゼロになるゲームのことですが、厳密にはFX業者に支払う手数料が発生するのでトータルでマイナスになるマイナスサム・ゲームになります。

やめないことがもっとも大切

一方、プラスサム・ゲームになるはずの株式投資も、本に書いてあるとおり、誰もが知っている有名企業の株を買ったり、複数の会社に分散投資をしてみたのですが、思ったようなリターンは得られないままでした。

最初の数年間は資産が増えるどころか、むしろ減っていたのではないかと思うくらいの“しょぼい投資成績”だったのです。

しかし、それでも投資をやめることはありませんでした。いま考えると、投資をやめないことこそ、投資でいちばん大切なことなのです。その数年後に1銘柄だけで億を超えるリターンを得ることになったのですから。

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で１億円 【１問１答】株ドリル』（ダイヤモンド社）の著者によるものです。