労働市場は減速しつつあり、インフレも減速しつつある。米連邦準備制度理事会(FRB)にとっては歓迎すべき展開だが、米経済にとってはまだ視界良好とはいえない。  労働省が1日発表した8月の雇用統計では、就業者数(季節調整済み)が前月比18万7000人増加し、エコノミスト予想の17万人増を上回った。だが予想との差よりも6、7月分の下方修正幅のほうが大きかった。平均時給の伸びはエコノミスト予想に届かなかった。  一方、失業率は3.8%となり、7月の3.5%から上昇した。しかしこれは雇用減少ではなく、生産年齢人口に占める就業者または求職者の割合が高まったことを反映している。