「景気拡大は老衰で死ぬわけではない」という格言がある。景気拡大は米連邦準備制度理事会(FRB)によって殺されるのだという。そうだとすれば、今年の米経済はFRBという攻撃者を振り切っていることになる。底堅い雇用と堅調な個人消費は、FRBが40年ぶりの急激な利上げに打って出たにもかかわらず、新型コロナウイルス禍の影響と米政府の前例のない政策対応によって米経済が驚くほど強靭(きょうじん)になったことを改めて裏付けている。米労働省が1日発表した8月の雇用統計によると、就業者数は過去12カ月で310万人増加(8月の18万7000人含む)した。労働参加率の上昇に伴い、失業率は3.8%と7月の3.5%から上昇した。