ロシア政府に忠誠を誓う複数の民間軍事会社が、同業ワグネルのウクライナとアフリカの戦闘員の掌握に乗り出している。ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏の死亡を受けた動きだ。ロシアの治安部隊や政府に近いオリガルヒ(新興財閥)と結びつきのある雇い兵集団がワグネル戦闘員を取り込んでおり、ロシア政府にはウクライナでの戦闘経験が豊富な部隊を支配下に置くことや、アフリカの一部におけるワグネルの影響力を保持することへの期待がある。プリゴジン氏は中東とアフリカの数カ国で存在感を高め、戦闘員は約6000人に上る。アフリカと西側の当局者によると、ロシア政府はこれら部隊の統制に動いている。ロシア政府と関係する民間軍事会社はここ数ケ月にわたり、ウクライナに戦闘員を派遣してきた。創設者が情報当局者、出資者がウラジーミル・プーチン大統領に近いオリガルヒ、経営権を握るのが国有企業といった会社だ。ロシア国防省の関係者によれば、2008年に情報当局者などが立ち上げた「Redut(リダウト)」は、ウクライナでの戦闘経験のあるワグネル戦闘員を募集。先月にはロシアの交流サイトに戦闘員募集の広告を出すなど、アフリカ行きを希望するワグネル戦闘員に対するあからさまな引き抜き行為をしている。