電気自動車(EV)が激しい価格競争にさらされている中国で、トップを走る比亜迪(BYD)の好調ぶりが際立っている。同社は成功の秘訣(ひけつ)を国外でも試そうとしている。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が出資しているBYDは、1~8月の新エネルギー車(プラグインハイブリッド車を含む)の販売台数が180万台に達し、前年同期比83%増加した。EVが急速に普及している中国では、BYDが今年、新車販売で独フォルクスワーゲン(VW)を抜き首位となった。同国で今年に入って販売された新車のおよそ3台に1台がEVだった。BYDは先週、1-6月期の売上高が前年同期比73%増加したと明らかにした。これ以上に目を引くのは、粗利益率が前年同期の13.5%から18.5%に上昇したことだ。シェア拡大を狙うメーカー各社が相次ぎ値下げする中でこれを実現した。規模の大きさや製品構成の改善、および国内EVサプライチェーン(供給網)との近さが奏功した。バッテリーを内製する垂直統合型モデルを採用していることで、コスト抑制にもつながった。