中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の最新スマートフォン(スマホ)が話題を呼んでいる。だがそこから見えてくるのは、技術分野が分断される中での中国の展望と課題だ。ファーウェイがひっそりと発表した高速通信規格5G並みの速度と機能を持つ新型スマホ「Mate 60 Pro」に皆驚いた。米国がファーウェイを先端半導体の禁輸対象とした2019年以降、同社は主に4Gスマホを販売してきた。調査会社カウンターポイント・リサーチによると、この制裁発動当時、ファーウェイは世界のスマホ市場の12%を占めていた。だがその後シェアは低下し、昨年は2%まで落ち込んだ。この数字には格安スマホ部門「栄耀(オナー)」は含まれていない。ファーウェイは制裁の影響もあり、オナーを21年に売却した。