人工知能(AI)の先駆者たちは、このテクノロジーがもたらす危険性の中でどれが最も恐ろしいかを巡って争っている。片や、高度なAIシステムの構築に携わる著名経営者をはじめとする人たちで、AIの開発は大惨事を招く可能性があると主張している。もう一方は、もっぱら懸念すべきは、AIが現在どのように実装され、私たちの日常生活にどのような悪影響をもたらす可能性があるかだとする科学者たちだ。AI開発会社アンスロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は、人類の存亡の危機について警告している陣営の一人だ。同氏はこの夏、AIが人類にそのようなリスクをもたらす可能性があると議会で証言した。「チャットGPT」を手掛けるオープンAIのサム・アルトマンCEOはこの春、世界各地を巡り、AIがいつか深刻な害またはもっと悪い事態を引き起こす可能性があると語った。米実業家のイーロン・マスク氏はAI企業を立ち上げる直前の5月に開かれたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のイベントで「AIが人類を滅亡させる可能性はゼロではない」と発言した。