「いつか、子ども欲しい」けど、結婚していない。まだ、子どもは考えていない。婦人科に行くのはハードルが高い……という人が、正しい知識をもとに、今後「子どもが欲しい」と思ったとき、すぐに妊娠できる体に整えておくために、今すぐできることを紹介した書籍『結婚していない。けど、いつか子どもが欲しい人が今できること』。38歳から不妊治療を経験した産婦人科専門医が、卵子と卵巣の老化を防ぎ、産める年齢を少しでも引き伸ばしておくために「やっておけばよかった!」と思うことを紹介しています。今回はそのなかから、婦人科に行く重要性についてお伝えします。

独身で「私は産めますか?」と病院に来る人は、結構多い

子どもは欲しい。けど、結婚してない人にとって婚活より大切なことphoto Adobe Stock

「子どもが欲しいなら、早く結婚を!」とよく言われますが、相手のあることなので、どんなに急ぎたくても自分一人では難しい部分もあるでしょう。
けれど、自分の健康状態でも婦人科に関わることを把握しておくことはできます。

「将来子どもがほしいのですが、私は産めますか?」と、病院を訪ねて来られる未婚女性の方は多くいらっしゃいます。そうした方におすすめしているのが「ブライダルチェック」です。

ブライダルチェックとは、将来的に妊娠に影響する病気がないかどうかを調べる、婦人科検診を含んだ健康診断のことをいい、昨今「卵巣年齢がわかる」と話題になっているAMH検査なども、このなかに含まれます。

ブライダルチェックを受診するメリットは、子宮・卵巣の疾患や性感染症などを、早期発見・早期治療できること。それによって、不妊や流産といったリスクを抑えられるほか、妊娠中には行えない治療を先に済ませておくこともできます。
また、受診の対象者に決まりは特にありません。「ブライダル」とあるので結婚が決まっている人向けのような感じがしますが、パートナーの有無や年齢に関わらず、誰でも(男性でも)受診できます。

私の場合、35歳で結婚した後1年ほどで不妊の可能性を感じ、産婦人科を受診したことで子宮筋腫が見つかりました。「ここにあると着床しない」という場所にあったため、手術で取ることになり、妊活もお休み。結果的に不妊治療を始められたのは38歳のときでした。
けれど、もし結婚するずっと前にブライダルチェックを受けて、この筋腫の存在を把握し、手術を終えていたら……。時間との戦いである妊活において、35歳から始めるのと38歳から始めるでは、結果は違っていたのではないかと思うのです。

ですから、「結婚してないから、できることがないな……」などと思わず、まずは婦人科へ足を運んでいただければと思います。

実際、ブライダルチェックを受ける方のなかには「まだ結婚していないけれど、将来自分が妊娠したい時に困らないように、今のうちに調べられることを調べておきたい」という方は多くいらっしゃいます。最近では、結婚相談所で婚活前にブライダルチェックをすすめることもあるようですよ。

『結婚していない。けど、いつか子どもが欲しい人が今できること』では、ブライダルチェックの各項目をなぜ検査したほうがいいのか、かかる費用はいくらか、など具体的に紹介しています。病院はハードルが高いという方向けに、今の卵巣年齢がわかるチェックテストや、妊活や不妊治療がリアルでないうちは、考えもしないような日常の些細な行動が、想像以上に卵子や卵巣を老化させてしまう……逆に、なんとなくやっていたことのおかげで意外と老化しなかった!という例などを多数紹介しています。ぜひ今から気をつけてみてくださいね。