ウクライナのクリミア半島ではロシアの占領当局が数日おきに、新たに捕らえた「裏切り者」をカメラの前で引き回している。その罪状は、公共の場でウクライナの歌を流したり、親ウクライナ的なソーシャルメディア・アカウントを運営したり、ロシアの支配に対する抵抗の印である黄色い布切れをフェンスや木に結びつけたりしたことだ。他にも、ロシア兵への接客を拒否した店主やガソリンスタンド店員などが拘束されている。さらに、線路の爆破やウクライナのミサイル・無人機攻撃のための情報収集といった、より深刻な抵抗活動に従事した罪に問われている者もいる。こうした弾圧は、クリミアの親ウクライナ派住民を脅して服従させるためのものだが、ロシア占領当局にとって憂慮すべき事実も浮き彫りにしている。それはクリミア住民の多くがウクライナ統治下への復帰を公然と望んでいるということだ。クリミア住民はロシア支持を堅持していると占領当局が主張し、ロシア国外の多くの人々もそう信じているにもかかわらず、である。