米軍は、200年近くにわたってロシアと緊密な関係を保ってきた南カフカス地方の小国アルメニアと合同軍事演習を開始した。米国はロシアの伝統的な勢力圏の亀裂につけ込もうとしている。米軍とアルメニア軍は11日、10日間の合同演習を始めた。約175人のアルメニア兵が首都エレバン郊外で、米陸軍欧州・アフリカ司令部の兵士約85人とともに訓練を行う。これは、ロシアのウクライナ侵攻によって活発化した地政学的な再編を示すものかもしれない。ソ連の崩壊以降、アルメニアはロシアにとって安全保障上の重要なパートナーであり、ロシアが国外に持つ数少ない軍事基地の一つがアルメニアにある。アルメニアは、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)の対抗組織として発展させてきた旧ソ連諸国の集団安全保障条約機構(CSTO)の加盟国でもある。