投資家は往々にして、これから起こることを過信する。新技術が開発されれば、株価を極端な高値に押し上げるのではないかと期待し、危機が迫っているとの観測が浮上すれば、株価を極端な安値に押し下げるのではないかと期待する。ただ賢明な投資家であっても、経済の現状に関する解説を信じてしまい、後になってからその重大な欠陥に気付くということはよくある。経済統計の数値修正は広く一般的に行われている。だが、あまりにも大きな修正によって現状に対する共通認識が覆されることが時折ある。その最新事例が英国で起きた。経済成長率が速報値よりも大幅に高かったことが明らかになったのだ。英国は、国内総生産(GDP)が新型コロナウイルス禍前の水準にまだ届かず、G7(先進7カ国)の中で最も回復力の弱い「欧州の病人」であるどころか、成長率がドイツを上回り、フランスと肩を並べるまでになった(少なくとも独仏の数値が修正されるまでは)。
経済統計のブレ、悪化の一途
あまりにも大きな修正によって現状に対する共通認識が覆されることがある
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