サント・ヴィクトワール山を望むワイナリーへ
セザンヌが最も好んで描いたモチーフがサント・ヴィクトワール山。エクス・アン・プロヴァンスの郊外にそびえる標高1000mの山で、石灰質の白い岩肌が特徴です。セザンヌは生涯で80回以上もこの山を描きました。そんなセザンヌが愛した山に見守られるように立つワイナリー「テール・ド・ミストラル」を訪れました。
2008年に創設された「テール・ド・ミストラル」は、ワイナリーとしてはまだ若いですが、ブドウ畑は30年以上前から手掛けていて、3つのブドウ品種(シラーSyrah、グルナッシュGrenache、ロールRolle)を栽培、ワインはロゼを中心に14種類を製造しています。フランスのなかでも南仏プロヴァンス地方はロゼの生産が盛んで、フランス国内のロゼワイン市場の約35%を占めているといいます。
ワイナリー見学では製造工程の説明を聞きながらカーヴ(貯蔵・熟成庫)などを巡り、最後にお待ちかねの試飲タイム。日本酒や焼酎のプロデュースもしている自他ともに認めるお酒好きの大野さん。フランスのワイナリー巡りのほか、現役時代には南アフリカ遠征の際、立ち寄った居酒屋で知り合った人にケープタウンのワイナリーに連れていってもらったこともあるのだとか。ラグビー日本代表のなかでもトップ3に入るほどの酒豪という噂は伊達でなく、試飲のグラスも次々に空いていきます。