米アップルは熱心な「iPhone(アイフォーン)」ファンにより大きな代償を求めたりはしない。だがそれは高くつくことになるかもしれない。時価総額で世界首位のアップルは12日、主力のスマートフォン(スマホ)「iPhone」の新製品を発表した。新型「iPhone 15」シリーズは全機種でカメラ性能を高め、充電ポートをUSB-C対応にしたほか、「15 Pro(プロ)」は筐体(きょうたい)をチタン製にして最新チップを採用するなど、ほぼ予想通りの内容だった。サプライズだったのは、アップルが全面的な値上げを避けたことだ。メモリ容量別の価格を前年発売した「iPhone 14」のラインアップから据え置いた。唯一の例外は、最も低価格だった128GB版が「Pro Max(プロ・マックス)」からなくなったことだ。このため、Proシリーズの平均販売価格は2%未満の上昇となった。発表前から、アップルがより大幅な値上げを計画していることを示唆する情報が多数流出していた。このため複数のアナリストが、少なくともProシリーズは100~200ドル(約1万4700~2万9500円)値上げされると予想していた。その場合、同シリーズの平均販売価格は少なくとも8%上昇していたことになる。