具体的には、男性とその同性の友人18組(計36人、21〜27歳)に2回にわたり、アルコール飲料(1回目の実験)と非アルコール飲料(2回目の実験)を摂取してもらいながら、写真や動画の中の人物の魅力度を評価してもらった。友人関係にある2人組に参加してもらったのは、飲酒を交えた社交的な状況を模倣するのが目的だった。参加者は、その後の実験で魅力度の評価対象となった人と交流する機会が持てる可能性があるとの説明を受けた。また、魅力度を評価してもらった後には、最も会ってみたい人を4人選んでもらった。

他者への感じ方ではなく
他者との交流への自信を高める

 その結果、参加者の魅力度の評価に対する飲酒の影響は確認されず、つまり「ビール・ゴーグル効果」を裏付けるエビデンスは認められないことが示された。しかし、参加者は、飲酒していないときに比べて、飲酒しているときには、その後の実験で会えるかもしれない4人を、魅力度を高く評価した上位4人から選ぶ傾向が強く、そのオッズは飲酒していない場合の1.71倍だった。

 このことから、アルコールは他者に対する感じ方を変化させるのではなく、他者との交流への自信を高めるのではないかと研究グループは結論付けている。Bowdring氏は、「飲酒をする人は、飲酒によって社会的なモチベーションや意図が、短期的には好ましい方向に向かうが、長期的には有害な方向に変化する可能性があることを認識しておくと有益かもしれない」との見解を示している。(HealthDay News 2023年8月30日)

https://consumer.healthday.com/alcohol-2664542453.html

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