2016年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの奇跡』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの奇跡Photo: Adobe Stock

魅力的な人が集まってくる、「秘密のコツ」がある

 ある経営者の方から、こんなことを言われたことがあります。

「正観さんのまわりには、とても楽しい人、おもしろい人、素敵な人が集まっていますが、どうしてでしょうか?」

 今まで、あまり人には言ってこなかったのですが、「魅力的な人が集まる理由」について、お話ししたいと思います。その前に、質問をします。

「日本の主食は何でしょうか」

 日本の主食は「米」です。

「西洋の主食は何でしょうか」

 西洋の主食は、「パン」です。

「では、お米とパンに、共通していることは何でしょうか」

 それは、「味が薄い」ということです。

 主食の絶対的な条件は、「味が薄い」ことです。主食の味が薄いと、どんな「おかず」でも引き立ちます。

 人間関係も同じです。人が集まるとき、中心にいる人は「味が薄い」ほうがいい。つまり、「自己主張をしないほうがいい」ということです。

 グループの中心に存在する人が自己主張するタイプだと、そのまわりには、「味が薄い人」が多くなります。

 中心にいる人は、自分と同じように味が濃い人をめざわりに思うので、個性が強かったり、優しさをたくさん持っている人は、中心にいる人から、「あなたは味が濃すぎる」と、はじき出されてしまうのです。

 でも、中心にいる人の味が薄いと、まわりには、味が濃い人たちが集まってきます。

 中心にいる人は味が薄いので、まわりの人をはじき出すことはありません。「あなたはいい味ですね」「あなたはおいしい味ですね」と認め、受け入れます。

 だから、個性的で、優しさをたくさん持っていて、楽しくて、おもしろくて、素敵な人たちの集団ができ上がるのです。

 私は講演会に招かれたり、本を執筆したりしているので、「自己主張したいことがあるから、人前で話をしたり、本を出しているのだろう」と思われているようですが、それは違います。

 私の話をよく聞いていただくと、私は「自己主張をしていない」ことがわかると思います。

「世の中をこうしよう」「こういうふうに変えよう」という話をしたことはありません。ただ、私が知っている情報を「ご紹介しているだけ」です。

 自分が淡々と生きるのはいいのですが、「こういう生き方をすべきだ!」と大声で言いはじめると、まわりが息苦しくなります。

 私が中心となって交流会をしているとき、私が途中で出て行っても、私がいるかどうかに関係なく、みんなが楽しそうに騒いでいます。

 中心にいる人の個性が強くて、「あの人がいないと話が盛り上がらない」と言われるような場合、そのグループはあまり発展していきません。

 自分が志したわけではないのに、たまたまグループの中心になってしまった人は、「味が薄く」なればなるほど、「味の濃い」おもしろい人々が集まってきます。

 どうやら、これが、楽しい仲間、いい仲間が集まる「法則」のようです。