近年「部下の育成にはキャリアに関する1on1が欠かせない」と言われるようになったが、やり方が分からないと嘆く管理職は少なくない。とくに相手が女性となると、より混乱してしまう人も多いようだ。一人ひとりに合った形で成長をサポートする、キャリア1on1の最適解とは?本稿は、池原真佐子『女性部下や後輩をもつ人のための1on1の教科書』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
組織の中で後回しに
されがちなキャリアの話
これまで、プライベートも含めたキャリアの話は、組織のオフィシャルな場ではあまりなされず、後回しにされがちでした。
ひと昔前までは、みんな似たようなキャリアパターンを描いてきたので、キャリアの話をわざわざ公式の場でする必要はありませんでした。また、プライベートを職場で公式に持ち出すべきではないといった意識もあったかもしれません。
その代わりに、たとえば業務後の飲み会などで「どんなキャリアを描きたいの?」といった会話がなされてきました。つまり、キャリアの話はこれまで、主に非公式な隙間時間で何となくフォローされてきたのです。
とはいえ、そうした非公式な隙間時間をキャリアの話に使えるのは、一部の人たちだけでした。