浮気や不倫で「魔が差す人」が負の選択をしてしまう意外な理由浮気や不倫など「魔が差す」というが、これは明らかに自律神経の乱れからくる行為です。迷った結果、自律神経を乱して「負の選択」をしてしまう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「朝、何を着ていこうか」からはじまり、一日は選択の連続です。迷いは自律神経の乱れにつながり、失敗をまねくことも……。迷いのない、「シンプル」な選択をするためにはどうしたらいいのでしょうか。自律神経研究の第一人者として、数多くのプロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニングやパフォーマンス向上指導に携わっている小林弘幸さんの著書『「シンプル」な選択が自律神経を整える理由』(青春出版社)から、迷わないヒントを紹介します。

いい流れに乗るための「シンプル」な選択

 映画『ラ・ラ・ランド』をご存じでしょうか。2016年にアメリカで公開され、アカデミー賞の監督賞をはじめ、数々の賞を獲得した大ヒット作品なので、ご覧になった方も多いのではないかと思います。

 その映画のエピローグに、こんなシーンが出てきます。高速道路で渋滞に巻き込まれ、急遽(きゅうきょ)ハンドルを切って一般道に入った主人公が、通りかかったライブバーで偶然、かつての恋人の姿を目にします。そしてそこから、別の選択を描いた“たられば”の映像が、走馬灯のように映し出されていきます。「あのとき、こうしていたら」「ああしていたら」、2人は今こうなっていたかもしれない、という現実には実現しなかった光景の数々です。

 私はこの映画を観たとき、まさに自律神経の話そのものだと思いました。映画で象徴的に描かれている道路の分かれ道のように、人間は生まれたときから、常にどちらを選ぶか、岐路に立たされています。1つ選べばその先にはまた岐路があり、枝分かれのように選択が続いていきます。

 その選択は、たとえば、朝食はパンにするか、ご飯にするか。訪問先に出向くのに、JRを使うか、地下鉄にするのか。コンビニでの会計を、現金で払うか、ICカードにするか。そうした日常の小さなことから、人生の一大事である就職や結婚に至るまで、まさに人生は選択のオンパレードです。

 そして、選択の岐路に立ったときに生じるのが、「迷い」です。

 30年以上にわたって自律神経を研究してきた私が、みなさんにお伝えしたいのは、情報やモノがあふれ、選択肢が増えている「選択肢過多」の現代では、この「迷い」こそが、自律神経を乱す大きな要因になっているということです。

自律神経が乱れる悪循環は「迷い」から始まる

 では、なぜ、「迷う」と自律神経が乱れるのでしょうか。

 自律神経には、活動するときに働く交感神経と、休息するときに働く副交感神経があり、その2つがバランスを取りながら、心と体の安定を保っています。ところが、迷うと「決めなければいけない」という行為がストレスになって、交感神経が優位になり、そのバランスが崩れてしまうのです。決めたら決めたで、迷った末の選択なので、「本当にこれでよかったのだろうか」と不安になって、さらにストレスがかかり、自律神経を乱すという悪循環に陥ります。

 よく「魔が差す」といいますが、これは明らかに自律神経の乱れからくる行為です。浮気や不倫などがまさにそうですが、迷った結果、自律神経を乱して「負の選択」をしてしまうのです。

 迷うと自律神経が乱れるし、自律神経が乱れれば、いい選択ができなくなってしまいます。たとえば、地下鉄の改札を通ったら、発車のアナウンス音が流れてきた。次の電車を待とうか迷った挙句、電車に飛び乗ったら足首をひねって大変な目に遭ってしまった……そんな話は山ほどあります。

 迷わなければ自律神経は乱れないわけですが、現代社会は毎日が選択のオンパレードです。迷わないでいるのは、至難の業(わざ)といっても過言ではありません。

 そこで、少しでも迷いを減らして、よりよい選択をするためには、どうしたらいいのか。そのヒントをみなさんにお伝えしたいと思います。