「密会の聖地」のような場所もあり、そういった情報が事前にわかっていれば、探偵も女性探偵や女装可能な男性探偵を手配して、カップルを装って対象者車両に近づくこともあります。逆に怪しまれない場合もあるので可能な限り臨機応変に対応します。

Step2:車内密会目的の対象者車両に近づく

 密会場所と想定される場所で対象者車両を見つけだしても、すぐに近寄るわけにはいきません。まずはしっかりと周囲の状況を確認します。

・虫などの鳴き声や、風などの自然音や、電気設備や交通音などなど、環境音の状況によって、近づくときに枝を踏むなどある程度の音は消されるか?
・明るさの状態。どのくらいの距離で視認されるか? 明かりの当たり方によって影ができるか?

 それらの状況に合わせて、対象者車両へと物陰に隠れながら近付いたり、ほふく前進で近付いたりします。

 もし毎回同じ場所で密会することがわかっていれば、あらかじめ茂みに潜んでいたり、安全な場所から超望遠レンズで狙う準備もします。

 以前の調査で、車内密会を全く想定していなかったケースで、夏の盛りに長時間茂みに潜まざるを得ない状況がありました。虫よけスプレーの用意があるはずもなく、服から出ていたありとあらゆる場所を、蚊に刺されまくったことがあります。それ以来車には、虫除けスプレーを常備するようにしました。

Step3:不貞行為のタイミングを計る

 対象者に気づかれずにうまく車内が撮影できる場所まで近づけたとしても、不貞の状況になっていなければ、証拠にはならない可能性が高いです。

 タイミングを計って、不貞行為を撮影する必要があります。

 その挙動は、車内から漏れる声や、車の揺れかたなど、仲間の探偵と連携して安全な少し離れた場所から車内の挙動を確認してもらったりして確認します。