8月8日午後2時18分。米ハワイ州マウイ島西部のラハイナで、鎮火したようにみえる山火事を約7時間にわたり監視していた消防隊員5人は、休憩を取ることにした。早朝、商業地区のウオーターフロントから1マイル(約1.6キロ)の場所で発生した山火事が、再び発火して燃え広がることを警戒し、その場にとどまっていた複数の班の一つだった。焼け焦げた草の上に約8万7000リットルの水を注ぎ、延焼を阻止する封じ込めラインを作った。現場にいた消防隊員2人の話では、うまくいったように思えた。煙は上がっておらず、炎も見えなかった。「われわれがそこにいた数時間、火が燃え広がることはなかった」。隊員の1人であるアイナ・コーラー氏は言う。「再発火はしなかった」