ストレスから心を「切り離す」には?

【精神科医が教える】ストレスで眠れない夜にスーッと眠りにつく方法とは?Photo: Adobe Stock

──瞑想以外にもおすすめの切り替え法はありますか?

川野:寝る前はリラックスして過ごすのが良いですね。

香りを使ってのんびりする時間を持ったり、キャンドルの灯りを眺める時間を作ったりすると、日々のタスクから切り離されて心も体もゆるむと思います。

もちろんストレッチやマッサージ、足浴といった体に心地よい刺激を与える習慣も、安眠に誘導してくれることが期待されます。

リラックスできる内容の本を読むのもいいのではないでしょうか。

──本を読むのは、今考えていることをストップさせることが目的でしょうか?

川野:そのとおりです。

寝る前に羊の数を数えるように、「頭の中を占めている考えからいったん離れて、別のものに意識を向けること」がポイントです。

心理カウンセラーの大嶋信頼さんの書かれた『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、意識を向ける対象を別のものにする手法、不安や悩みからいったん離れて、考えごとをストップさせてくれるメソッドがたくさん紹介されているところが、素晴らしいと思います。

──『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』の中で、試してみたい方法などありましたか?

川野:やはり「魔法の暗示フレーズ」がどれもとても魅力的ですね。

心の中で言葉を使うことによって、自分の潜在的な考えを手放すことは、すごく効果的なんですよ。

考えすぎてしまったり、自分の責任を感じすぎてしまったりする人にとっても、この本には「救いになる言葉」がたくさん書かれていると思います。

川野泰周(かわの・たいしゅう)
精神科・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職
精神保健指定医・日本精神神経学会認定精神科専門医・医師会認定産業医。
1980年横浜市生まれ。2005年慶應義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶應義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2011年より建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在寺務の傍ら都内及び横浜市内のクリニック等で精神科診療にあたっている。
主な著書に『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』(すばる舎)、『半分、減らす。「1/2の心がけ」で、人生はもっと良くなる』(三笠書房)、『精神科医がすすめる 疲れにくい生き方』(クロスメディア・パブリッシング)、『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。