突然、訪れる八方ふさがり
「踊り場期間」

 成長や業績アップへの階段を順調に上っている最中、自分も周囲も追い風を感じていたのに、そうした風が突如、ピタッと止まるのが「踊り場期間」です。
 この踊り場から抜け出せば、大きな案件に恵まれるなど急激に運気が上昇します。

 ただ、この期間は、急にわけがわからず八方ふさがりになってしまうため、これ以上の上昇が見込めない頭打ちの状態、という感覚に襲われます。
 今まで順調だっただけに、なんとか成長を加速させようともがく人が非常に多いのです。

【 アパレル通販業の社長・Eさんのケース 】
 ある日突然、売り上げの伸びが止まり、なんとか打開しようと広告を出したり、SNSにも着手したりしましたが、何をやってもいい反応が得られず、焦って私のところに訪ねてきたEさん。
 そこで私は、社員が不満を抱えていないか、業務過多になっていないか、組織図に問題はないかなど、社内の状況に目を向けるようお話ししました。
 でも、Eさんは「そんなことよりスピード重視!」と思い込み、売り上げアップばかりに目を向け続けました。
 結局、無茶な業務に社員も疲れてて次々に辞めていき、Eさんは人間不信になってしまいました。

 踊り場期間で最も重要なのは、徹底的に止まること。
 そして、周囲がどういう状況かをじっくり観察することです。

 俯瞰(ふかん)して今を見ると、それまで見向きもしなかった人間関係など、些細なことでも今後、問題になるであろうタネがたくさん見つかります。
 しっかり止まることで、そうしたタネを芽吹く前に摘み取ることができるのです。

 人は、順調であればあるほど、自身の思い込みに固執し、些細な問題を見落としがちです。
 大きな成長に向かって突き進んでいるからこそ、今、止まる。

 踊り場期間は、成長を確実なものにするためには不可欠な期間です。
 ここでしっかり止まることができれば、その分、体力も温存できているので、抜け出した直後に数段飛び越えて、ステップアップできるかもしれません。

 龍神は時に、あなたとっては逆境ともとれる「チャンス」、トンネル期間・踊り場期間をもたらします。
 それは、こうした期間を経験することが、今後ますます成長していくうえで今のあなたに必要だからです。

※本稿は特別な書き下ろしです。