世界有数の石油輸出国であるロシアが突如として燃料不足に見舞われている。政府と石油業界との間に緊張が走り、ウラジーミル・プーチン大統領の側近イーゴリ・セチン氏がトップに座る国有石油大手ロスネフチの幹部陣が更迭される事態に発展した。南部の農業地域を中心に燃料価格が急騰する中、ロシア政府は今月に入りディーゼルとガソリンの輸出を禁じた。これを受けてロシア国内では価格が急落し、企業に安心感をもたらした。この禁輸措置はロシア国内の物価高が及ぼし得る経済的・政治的影響を抑えるのが狙いだ。だが政府と石油業界は、企業の利益とロシアのエネルギー相場の安定とのバランスを巡り衝突している。複数の関係者によると、ロスネフチは先ごろトレーディング責任者を更迭。2人の化学製品販売責任者、財務担当幹部もロスネフチを去る。
ロシアの新たな戦い、燃料不足で石油会社と対立
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