燃料価格にそれほど注意を払わなければ、米国ではインフレが落ち着きつつある。米商務省が29日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.4%上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)はPCE価格指数をインフレ指標として注視している。前年同月比の伸びは3.5%。7月は3.4%、6月は3.2%だった。ただエコノミストとFRBは、インフレの基調を知るため、食品とエネルギーを除いたコアの価格をより重視している。コアPCE価格指数は前月比0.1%上昇にとどまった。前年同月比では3.9%上昇と依然強いものの、2021年5月以降では最も小幅な伸びだった。さらに、直近3カ月のコア価格の上昇率は年率換算で2.2%と、FRBのインフレ目標の2%をわずかに上回ったに過ぎない。FRBが公表した見通しによると、当局者は10-12月期のコアPCE価格指数の前年同期比上昇率が3.7%になると予想。足元の傾向からすると、これは高すぎるように見える。
米インフレ、ガソリン除けば鈍化したが
燃料費の大幅上昇が続けば、FRBが緩和に着手するのが難しくなる可能性もある
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