ここ30年間、日本人の給料はほとんど上がっていない。
しかし物価もほとんど上がらなかったから、我々は呑気に過ごすことができた。
茹でガエル状態というやつだろうか。
ところが2022年からインフレの波が止まらない。
食費も燃料費も信じられないくらいどんどん上がっていく。
このままでは日本人は飢え死にしてしまうのか?
いや、こんな時代でもお金を稼ぐ方法はあるはずだ。
話題の書『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』南 祐貴(セカニチ)から、不遇の時代をたくましく生き抜く知恵を学びたい。
時間給ではなく、「仕組化」で稼ぐ
現在は経営者・投資家・作家として生きるセカニチだが、最初から時間の価値・世界の広さを認識していたわけではない。私の生まれ育った東京都調布市の実家は最寄り駅から徒歩25分の狭い団地。自分の部屋はない。中高時代のお小遣いは月1000円。私は一般家庭の出身で情弱かつ貧乏だった。
そんな庶民未満の私だが、大学3年生(2010年)から始めたベンチャー企業の学生インターンで、儲かっている経営者から直接学ぶ経験をした。
私にはお金を稼ぎたいという燃えたぎるハングリー精神があった。
学生インターンでは時給900円(当時のほぼ最低賃金)にプラスして、成果報酬をもらう仕組みだった。大手タバコ企業の喫煙者アンケート調査(大学生限定)は、大学生をつかまえて紙のQRコード経由で回答させればわずか5分で終わり、回答者には3000円が支払われる。さらに後日、深い調査(たった1時間)に協力すれば7000円が追加で支払われる。大学生喫煙者にとっては短時間で計1万円が得られる=大きなインセンティブだ(ちなみに私自身はタバコのニオイが嫌いで一度も吸ったことは無い)。しかもたった5分で終わるのに、私は回答者1人あたり5000円の成果報酬が得られる仕組みだった。貧乏だった私は衝撃を受けた。
2010年当時は拡散型SNS(Twitter・LINEなど)が発達しておらず、タバコ企業が若い大学生の喫煙者だけに直接アプローチする方法が無かった。
そして私は21歳で「人を雇ってマネジメントをする」という人生初体験をした。美人な女友達をバイト(時給3000円)で雇い、一緒に各大学の喫煙所(タバコ嫌いなのに)を回り、大量のアンケート回答を集めた。美人な女子大生から声をかけられた喫煙者(男)の回答率はほぼ100%だ。
もしサボると回答数の少なさですぐバレてクビになるので、私が何も指示しなくても女友達は毎日一定のパフォーマンスを発揮してくれた(私は喫煙者の多さに驚いた)。上司無し&ラク&時給も高かったので女友達からは「もっと働きたい」と言われたほどで、シフトに入るお願いは必要無し。美人な女子大生による“仕組み化”がいつのまにかできていた。
その結果、私は何もしなくても驚異的なアンケート回収数を記録し、インターン先の敏腕社長(26歳)からも非常に驚かれた。
そして女友達にバイト代を払い、税金も払い、残った純利益を計算したら…21歳の私は1ヵ月で「100万円以上」を稼いでいた。
私は21歳で初めて、時間の切り売りでなく、仕組みで成果を生み出して稼ぐ経験をした。それまでは予備校のチューターとして時給制でしか働いたことはなかった。“成果報酬”が私の視野を広げてくれた。もしタイムマシンがあれば、貧乏で情弱だった大学1年生の私にこうアドバイスするだろう。
「時間の切り売りで働くアルバイトに疑問を持とう。成果報酬と仕組み化で稼ごう。儲かっている人から直接学ぶ経験をしよう。儲かっている人は日本にゴロゴロいる。頭の良い人を数珠つなぎで紹介してもらおう。信頼を積み重ねて、わらしべ長者を目指そう」。
※本稿は、『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』南 祐貴(セカニチ)より一部を抜粋し、編集したものです