「世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」として活動する南祐貴氏、4代目バチェラーとして知られる黄皓氏、実は二人は経営者であり、2023年に同じくダイヤモンド社から『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』『超完璧な伝え方』という本を出版したという共通点がある。さらに二人は、メディア露出を始める以前からの友人でもあった。二人の若き経営者が、お互いの書籍について、コミュニケーションについて、そして日本の未来について、熱く語り合った!(司会・構成/ダイヤモンド社・亀井史夫 撮影/小島真也)

日本の未来はヤバいけど、それを理解できている人は意外と少ない南祐貴(セカニチ)さんと黄皓さん(右)

全主婦はこの本を読むべき!

――南さんの本『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』を読んで、黄さんの感想はいかがですか。

黄皓(以下、黄) 僕は、未来の日本がヤバいって、まったく同じ感覚なんですよね。この間、インスタのリールズでも、「日本、このまま行くとオワコンだよ」って言ったんですよ。そうしたらツイッターで誰かが僕の動画を上げて、「中国人が日本オワコンだって言ってます」って炎上してたんです(笑)。でも、やっぱりみんな感じてるんだなと思って。僕自身もほんとそう思っているんです。で、南のこの本を読んで思ったんですけど、なんで日本が今ヤバいか、目次だけ見てもよくわからない。「月給100万円のアルバイトは」とか、「ハンバーガー1個1000円の時代が来る」とか。でも、一個一個読んでいくと、「円安ってこんなふうになっていってるんだ」、「時間の価値って日本人だけ世界から取り残されてない?」みたいなことがわかる。僕ら経営者とか意識している人からすると当たり前のことが、実は分かってない日本人が多いんですよ。いまだに借金=悪とか、訳分かんないこと言ってるくらいなので。時間という平等の価値観をどう使って、今ある借金を、今使える投資として取るのか、将来への負債と取るのか。そのへんの考え方だけでも、これ、読まないとほんと日本ってヤバいんだろうなと、僕はやっぱり思いましたね。

南祐貴(以下、南) 正しく理解してもらえて、ありがたいです。

 僕の発信は、日本の主婦層にすごく届くことが多いんですけど、過去に、こんな問い合わせをしたことあるんですよ。「どんな内容がいいですか」って言ったら、「お金にまつわることを教えてほしいです」っていうのが一番多かったんですよ。恋愛リアリティショーに出てるから、恋愛の相談とかいっぱい来ると思うじゃないですか。でも20~30代の女性から、「私たち、このままでいいのか分かりません」っていう不安が一番来たんですよ。

――そうなんですか。意外ですね。

 みんな不安なんです。でも、何をどうしていいかまったく分かってないんですよ。「貯金っていいの?」、「うちの旦那の給料だけでいいの?」、「老後2000万円問題って、結局どうなった?」とか。

 その悩みや不安、よく聞きますね。

 「投資ってやるべき?」「ローンって、いいの、悪いの、どっちなの?」みたいな。めちゃくちゃあるんですよ。主婦のほうが危機感は強いなと思いました。だから日本の全主婦は『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』を読んだほうがいいです。

 ありがたいですね。全ての主婦の皆さまに読んでほしいです。

 日本の立派な企業に勤めてる旦那さんいますよね。三菱商事に勤めている方もいれば、トヨタに勤めている方もいる。でも、その男の人たちの半分も、たぶんこの内容を理解してないです。その奥さんは、さらにその半分以下だと思うんです。この内容を理解できる人は。

――主婦が読んだほうがいいっていうのは、ちょっと面白いですね。

 そのために、このイラストがあると思っていて。

 可愛いイラストがないと、本は最後まで読んでもらえないと私も強く感じています。

 この本って、ほんとに南の功績なんて、マジ1割ぐらいかなって(笑)。

 それは僕も思います(笑)。それほどイラストの存在価値は大きい。

 だって、彼は思考力は抜群にあるんですよ。でも伝え方の9割はイラストですよ、これ。

 僕1人の表現だと直球ストレートしか投げられない。柔らかくうまくっていうのができないんですね。なので、ゆんさんの可愛いイラストがあることで、前作も今作も多くの人に読んでもらえていると実感しています。

 僕、これ、超好きなんですよ。「給料の正体」(p.51)っていうイラストでね、「疲弊の回復アイテムとして給料を使っている」って、ほんとそうだなって。

 実際、会社員はみんなそう。私も会社員の社畜時代は、給料が入ったら全て浪費していました。そしてまた同じ月曜日を繰り返す。

 給料のことを、人によっては、「時間に対する対価である」みたいな書き方するんですけど、RPGに例えてくれるとよく分かるじゃないですか。「あ、なるほど。お金もらってるから元気になって、また頑張ろうとするんだな」みたいな。この回復アイテムなかったら、疲弊して死んでいくだけじゃないですか。こういうイラスト一個一個。言葉は南が選んでいるのかもしれないですけど、言葉と絵の組み合わせが、ほんとに分かりやすいなとは思って見ていましたね。

 セカニチは、ゆんさんのイラストなしでは活動できないという状況になっています(笑)。

――イラストの打ち合わせもめちゃめちゃ綿密にやってるんですよね。

 2時間のミーティングを、一日3回やっていましたね。朝昼晩2時間ずつみたいな(笑)。1枚当たり、20往復以上はしている。著書内の全てのイラストで。

 でもね、それだけ、この本を見たときに僕は感じたんです。南が、本を出版して満足しようとしているわけじゃなくて、伝えきろうとしている気概を。正直言って従来の南って、けっこう質より量だったんですよ。

 まあ、たしかに。当時はイラストも無しでストレートに書いていた。そして量で勝負していた。

 パワープレーだったんです。セカニチも、早ければいい。とにかく世界で最速で解説していればいいっていう6年前から比べると、伝えきるぞ、一個一個のこと、っていうのを感じるようになりましたね。