「世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」として活動する南祐貴氏、4代目バチェラーとして知られる黄皓氏、実は二人は経営者であり、2023年に同じくダイヤモンド社から『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』『超完璧な伝え方』という本を出版したという共通点がある。さらに二人は、メディア露出を始める以前からの友人でもあった。二人の若き経営者が、お互いの書籍について、コミュニケーションについて、そして日本の未来について、熱く語り合った!(司会・構成/ダイヤモンド社・亀井史夫 撮影/小島真也)

頭のいい人が投資の前に必ずしていること南祐貴(セカニチ)さんと黄皓さん(右)

「自分で考えること」を丸投げするダメなビジネスパーソン

――意外とビジネスマンでも、仕事でいっぱいいっぱいだと、基本的な経済の知識がなかったりしますよね。

南祐貴(以下、南) ないですね。私がいた大手広告代理店でも、同期のみんな、経済の知識はなかった。

黄皓(以下、黄) 大企業勤務の同期が、ワンルームマンション投資を喜んでやってるのを見てると、バカじゃねえのって思う。頭いいの? 悪いの? みたいな話。

 SNS広告で◯万円のギフト券を配っているワンルームマンション投資の99%は詐欺のような仕組みであるのは事実ですね。会社員だと日々の仕事に疲れちゃうから、めんどくさそうな思考を他の人に丸投げしたいっていう気持ちがある気はして。

 「あとやっといて」。で、それが何かにつながってると思いたいだけ。

 ほとんどの会社員が思考を丸投げしていますね。

 僕らのグループって、基本不動産投資系のことをしゃべってるんですけど、なんでこの土地は買うべきなのか、なんでここは上がるべきなのか。周辺相場と比べてどうなのかって、けっこう徹底的にその中で議論する。車とかアートを買うときも、「前回のアートの落札履歴を見ていると、このアーティストってちょっと右肩上がりだね」とか、「前回だけバコッと上がってるのって、正直裏で誰かがマッチポンプ的に押し上げた可能性あるよね。じゃあ、今回ちょっと様子見だね」みたいな議論をけっこうしたうえで、それぞれ投資するんですよ。この議論に正解はたぶんないと思うんですけど、考えるという習慣が、僕らはついている。

 そもそも我々は好きなんですよね。そういう投資の話が。

 そう、好きなんですよ。でも、『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』みたいな本に出合わないと、考えることすらできないんです。買う買わないの判断基準が自分にないので。この2冊を読むと、「あれ、これって使うべきお金なんだっけ? 今払ってるこのコストって、未来への投資につながってるんだっけ?」を意識するきっかけには十分なり得るとは思いますね。

――南さんが『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』を書くうえで、一番苦労した点は?

 苦労した点は、無限にあります。最も大きい点は、伝えたいことが多くて、20万字を超えちゃう危険性があったことですかね。そこで何を捨てるのか、削るのかっていう決断がめちゃくちゃ大変でした。

 これ、最初何万字だったんですか。

 たぶん最初は、いまの2倍ぐらいの文量があった。

――うん、あった(笑)。

 削る作業が、ほんとに大変で。1冊の本を100周以上は自分で繰り返し読んで、削る場所を考えた。いかに濃くするかを徹底的に。でも、やってみて思ったのは、広く読んでもらうためには、ある程度の余白も必要だから、そのバランスが難しいなと。濃くする部分と余白のバランスが一番難しいなと感じました。

 難しいですね。

――でも、このサイズに収まったという良さもありますよね。

 こういう経済書の中では、ぶっちぎりで読みやすいと思いますね。

 ありがとうございます。

 ぶっちぎりでイラストがいい。P.32のイラスト「金利=夏場の冷房のパワー。経済=体温」は、天才だなと思ったんです。例え方も含めて。やっぱり読む人のリテラシーに合わせようという気概をすごく感じるんですよね。将来に向かって不安を感じている、例えば彼女(秘書の津野さん)なんかまさに主婦なので、めっちゃ読んでる。

 ありがとうございます。金利って聞いても普通の人はわけわからないですよね。

 彼女に突然、アダム・スミスとかね、読ませても分からないわけですよ。でも、この本はイラストがついてて、「なんで日本はヤバいんだろう。お金を稼ぐとっておきの方法は何だろう」ってなったときに、手に取りやすいじゃないですか。ちゃんとターゲティングを明確にして、そのターゲットが読める言葉を彼が解釈をして、イラストに落とし込んでこれができたっていうのは、素晴らしいなと思いますね。南の活動で一番尊敬してるかも(笑)。