その結果、参加者の体重は、平均で4年ごとに1.5kg、24年間で8.8kg増加していた。さらに解析を行ったところ、各食品の食後血糖値の上昇度を示す指数であるグリセミックインデックス(GI)とGIに炭水化物の重量を掛けたグリセミックロード(GL)の高い食品の摂取が体重増加に最も強く関連していることが明らかになった。
例えば、添加糖類やでんぷん質の1日当たりの摂取量が100g増えることは、4年間で体重がそれぞれ、0.9kgと1.5kg増加することに関連していた。一方、食物繊維の摂取量が1日当たり10g増えることは、0.8kgの体重減少に関連していた。
炭水化物の質と体重増加の関連は
過体重か肥満の男女が最も強い
こうした炭水化物の質と体重増加の関連は、参加者が適正体重か、過体重か、あるいは肥満かにかかわらず認められたが、特に強い関連が示されたのは、すでに過体重か肥満の男女だった。ただし、Wan氏らは、特定の炭水化物の摂取によって体重が増加するという因果関係が証明されたわけではなく、関連が認められたに過ぎない点を強調している。
食品栄養コンサルタントのConnie Diekman氏は、「年齢を重ねる中で生じる、体重に関する大きな問題の一つが筋肉量の減少だ。日常的に運動しなければ筋肉量は減り、筋肉量が減れば体脂肪率が増加する。それに加えて、加齢に伴い代謝速度が落ちるため、カロリー消費の効率も低下する」と指摘する。
一方で、Diekman氏は、「食物繊維や水分の多い食品は腹持ちが良いため、食事の内容と量をコントロールしやすくなる。また、食事に含まれる食物繊維は血糖の輸送を遅らせ、血糖を正常な範囲に維持するのに役立つ」と言う。そのため同氏は、「こうした食事パターンは年齢を問わず好ましいものだが、身体活動量が不足しがちな中年の人にとって腹持ちの良い食品に切り替えることは、無理なくカロリー摂取をコントロールする良い方法だと言える」との見解を示している。
その上でDiekman氏は、「現行の食事ガイドラインでも、ジュースや精製穀物、でんぷん質を多く含む野菜よりも、非でんぷん質の野菜や全粒穀物、果物を積極的に摂取することが推奨されている」と強調し、「ただしバランスが重要だ。ベイクドポテト、ホウレンソウのサラダ、新鮮なベリー類と焼いたサーモンの組み合わせは、健康的な献立として完璧だ」と話している。(HealthDay News 2023年10月2日)
https://consumer.healthday.com/weight-gain-2665742466.html
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