米連邦準備制度理事会(FRB)には新理論がある。債券市場がFRBのために働いてくれているので、FRBは今年はもう利上げせずただ傍観していればいい、というものだ。これは素晴らしい理論で、ダラス地区連銀のローリー・ローガン総裁が先日開陳したものだ。米国債利回りと将来の金利予想の差、いわゆる「タームプレミアム」が足元で拡大していることで、金融環境が引き締まり、利上げと同じくらい景気を減速させるのだそうだ。同氏はFRB当局者の中ではタカ派寄りなため、トレーダーはこれを、利上げサイクルがピークに達した可能性を示唆していると解釈した。これを裏付けるように、フィリップ・ジェファーソンFRB副議長をはじめ他の当局者も同様の発言をした。
FRBは債券市場を信頼し過ぎ
債券利回りが予想以上に上昇したため中央銀行が利上げを見送ることができるという理論は、精査する必要がある
有料会員限定
あなたにおすすめ